パナレーサー AGXERO DUROとは?

パナレーサー AGXERO DUROとは?

投稿日 2026/08/01

今回は一足先に、パナレーサーのAGXERO DURO 30Cをイタリアとフランスで酷使してきたので、そのインプレッションをお伝えしようと思います。耐パンク性が向上したDURO 30Cは公称値で無印AGXEROからたった10gの追加というのが見どころになります。

インストール編

30C表記のタイヤをリムにインストールすると30mm幅になる、そんな当たり前のことが当たり前じゃないのがTLRです。例えば31C表記のENVE SES31を同社のSES4.5にインストールすると33mm幅になります。パナレーサーのアジリストも30Cであれば実測で32-33mmになります。が、AGXERO DURO 30CはSES4.5にインストールするときっちり30mmになります。

また、インストール自体も片側のビードは手で簡単に入る上、反対側もプロのメカニックであればタイヤレバー無しで入れてしまうだろうな、という程度の固さです。こうなると心配になるのはビード上げですが、MAKITAのポンプで問題なく上がってくれました。実は僕が最近TPUチューブによるクリンチャー運用をしていたのは、アジリストの30CがSES4.5とは相性があまり良くなく、鬼硬いというのがありました。インストール自体もタイヤレバーが折れるかという固さで、この組み合わせでパンクすると本当に地獄なのです。なので、AGXERO DURO 30Cは今後のTLR運用に福音をもたらしてくれました。

今回は渡欧のためバイクをケースに収納する際、前後を4barまで上げ、シエナで走る時にフロントを適当に抜いた状態でそのままエタップまで走って帰国したのですが、2週間を経た今でもタイヤはエアを保持しています。ほぼエア落ちの速度はクリンチャー並と言えます。なので、インストールしやすいなら、エア落ちは早いのでは?というのは杞憂でした。だいたい、トレードオフの関係にあるのですが、インストールしやすく、エア落ちもクリンチャー並、を両立させているのです。これはすごいのです。
シエナ編

チューブレスらしい、しなやかな走行感はアジリストに一歩、二歩も譲ります。なんせその構造はグラベルキングに近いと聞きました。とは言え、クリンチャーとTLRの間には越えられない壁があると思っているのですが、明確にクリンチャー運用のSES31よりも良かったです。今回はシエナ郊外のストラーデ・ビアンケで使用されるグラベルロード、さらにストラーデ・ビアンケ使用されないほど荒れたルートを含む計30km以上をAGXERO DURO 30Cで走破しましたが、走行後にタイヤのトレッドやサイド、ビード周辺を仔細に観察しても、一切のシーラント漏れはありませんでした。内心ではここで何かホイールにトラブルがあると、エタップに影響が出るのでヒヤヒヤしていたのですが、DUROの性能を低く見積もっていたようです。ちなみに、前後方向は比較的グリップは良好ですが、左右方向はかなり限界が低いので、決してグラベルタイヤの感覚で走ってはいけません。
サンレモ&エタップ

ミラノ〜サンレモで名高いチプレッサ、ポッジオ、さらにエタップではテレグラフ、ガリビエにラルプ・デュエズという大小の名物峠を走ってきましたが、自分で走ってみないとこのまま何も知らなかっただろうと痛感しました。というのは、路面が非常に綺麗なのです。チプレッサ、ポッジオの下りは自転車で攻めるのを前提にしているかのような、スムースな、そしてグリップのある路面なので、確かにフィジカルとスキルがあれば下りで追走を突き放すことができるだろうと思わせます。エタップに関してはツールに合わせて徹底的に道路を治したり、清掃を入れるので、道幅がフルに使えるのです。「外国の道路は道が悪い」いうのは完全に偏見で、僕が普段ロードバイクで走っている北摂の山々の方が路面は悪いとさえ思います。
なので、無印のAGXEROの、なんなら30Cではなく28Cの方が軽量な上、TLRらしいしなやかさのおかげでもっと楽に走れたのかな、と思いました。これは結果論で、もし最初の山場であるクロワ・ド・フェール前にパンクしていれば、僕は38km地点でカットされていました。最終ウェイブからの出走だったので、カットタイム17分前の通過だったのです。なので、DUROで良かったと思います。

どんな人におすすめか

ロードレースには明確に向いていません。タイヤの構造上、どうしてもしなやかさや、クッション性に欠けます。無印のAGXEROが適任のはずです。ウルトラスムースなグラベルレースなら使えると思うのですが、理想的なのは35Cだと思います。非常にインストールが容易なのと、エア落ちが遅く、耐パンク性も高いので、デイリーに通勤通学でTLRを使ってみたいという方にも向いていると思います。また、今回のエタップみたいに、カットタイムの都合上、絶対にパンクでタイムを失いたくない、というグランフォンドタイプのイベントでも重宝すると思います。

フレームそのものはデザインがUCI規則内でどんどん収斂していき、モデルチェンジでも誤差程度の改善しか見られない所まで到達していますが、ホイール、特にTLRというシステム自体には改善の余地が相当にあると思っています。今回のAGXERO DUROは2年前から進化していると感じたので、クリンチャー派の皆さんにもおすすめしてよさそうです。

詳細はYouTubeの動画にて解説しています。是非シエナの美しいグラベルロードと共にAGXERO DUROの高い走破性をご覧ください。
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