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SDA王滝100km冬の陣 [実走編]

装備編から続いています。実走編は残念ながら写真が少ないのでテキスト中心でお届けします。


王滝村へは大阪からPM10に出発、その昔にスノーボードに通った「おんたけスキー場」を懐かしみながら中津川ICで中央道を降りて19号を北上、AM3過ぎには松原スポーツ公園に到着、1時間ほど仮眠、装備を調えてAM4:30からの当日受付でゼッケンを貰います。


このイベントはもうはっきりしているのですが、主催者が地元に少しでもお金を落とそうと言う強い意志を感じます。なので、基本的には前日の土曜日に受け付けをすることになっていますし、松原スポーツ公園内でのテントや火気の使用は禁止と募集要項に書いてあります。なので、土曜日の前日に受け付けを終えて、イベントに参加してから王滝村のキャンプ場や宿泊施設に泊まりなさい、ということなので、僕みたいに当日早朝入りする参加者には人権が無いと思った方がいいです。


ゼッケンをバイクに装着、ヘルメットの全面にもう1枚貼って用意は完了、ウンコするために長蛇の列に並ぶ必要がある、というのも僕が参加をためらう理由だったのですが、参加者が少ないためかすんなりと終え、全てが整った時点でスタート10分前だったので慌ててスタート地点に向かうと、すでにほとんどの参加者がバイクを並べて整列していました。


最後尾に並んでAM5にスタート、まぁ、ニュートラルで地味にポジションを上げていけばいいか、と思っていたのですが、これが大間違いでペースがクソ速いのです。僕はここで悟りました。多くの参加者がバイクを並べて場所取りするのは、これだったのです。前にバイクを並べれば並べるほど足きりを避けることができるという保険にもなるのです。


体温が上がり、Raphaのクリームで下半身がヒリヒリしてきた頃、ようやく林道区間に入り、ここから5周回がスタートします。Bluetoothのイヤフォンを持っていたため、音楽を聴きながら心を無にしながら走ろうという心づもりだったのですが、イヤフォンを耳にねじ込んで、iPhoneと接続する余裕すらありません。と言うのも、寒すぎて手袋を脱ぐ余裕がありませんし、周囲がハイペースなため、それに合わせようとすると、まぁまぁ真面目に踏まないと流れに乗っていけないのです。


そう言えば、スタートの時に思ったのですが、参加者のバイクの多くが結構マジでした。つまり、ハイエンドの軽量なカーボン製フルサスやHTが多く、僕みたいな鉄製のDHバイクみたいな2.35幅のタイヤを履いた重量級HTはかなりのマイノリティで、その理由は思い知りました。とにかく、僕の足が無いせいもあって、悲しいほど抜かれます。抜かれるのですが、標高を稼げば稼ぐほど視界に入る白い部分が増えてきて、標高1.400mを越えて1,500mに迫るとほぼ路面は真っ白になり、ダブルトラックに轍が2本、という状態になります。その轍がおおよそ幅20cmほどしかなく、轍を外すと積雪で大幅にスピードダウンを喫します。なので、集中力を全開にしてこの轍をトレースするのですが、-3°とかの、思考力さえ大幅に下がっているような状態でこれを続けていると、自分がトランス状態に入ってくるのが分かります。そして、ある瞬間に思ったのです。


「王滝楽しいかも・・・」


雪が深くなればなるほど、先行していたライダーが落ちてきて、どんどんと抜けるようになります。シクロクロスを走っているせいか、轍に入れる所、逆に入れてはいけない所の判断でアドバンテージがあったようで、雪の区間で抜かれることはあまり無かったと思います。ピークからの下りは僕の独壇場で、一度も抜かれなかったと思うのですが、一旦下りきって斜度が緩む所で悲しいことに再び抜かれてしまうのです。18kmのループで後半の下りは斜度が緩む分、しっかりと踏まないとだめな所で、本来なら29erが得意とするパートなのですが、足を回復させるのが精一杯という感じでした。


2周目に入る時、オフィシャルの方が応援で「あと4周頑張って!」と言うのが耳に入ってきたのですが、素直に絶望しました。心を無にして2周目を登り、下りの溝でバニーホップをして越えたつもりだったのですが、1周目には成功したのに、もう疲れ切って全然届かず盛大にリム打ちしました。シーラントが効いて数分は走れたのですが、最終的には走れない状態にまでエア圧が抜けてしまい、路肩に寄せてCO2でエアを入れたのですが、トレッドから大量にシーラントが吹き出し、チューブを入れないと走れない状態だと判明。


こうやってテキストに書くと数行ですが、実際はこんな感じです。


路肩に止める→溜息をついてバイクを眺める→後輪を触る→ウェストバッグを外して開く→溜息をつく→グローブを外して地面に投げる→補給食をむしゃむしゃ食べる→溜息をつく


長くなるのでこの辺にしておきますが、とにかく寒いと判断力が鈍りますね。最終的に、CO2ボンベを3本も消費してチューブドにしたのですが、シーラントまみれになりながら素手の作業は地獄で、実はチューブを入れた理由も、もうDNFするつもりで、スタート地点に戻るためだけにチューブを入れたのです。30分以上もウダウダしながら作業を終えて走り出したのですが、十分な休憩をしたせいで足が戻ったので、3周目に入るか、と心変わりして再びループに入りました。登りながら計算すると3時までにはゴールできる計算なので、自分との戦いにスイッチした感じですね。


で、34x46を駆使してノロノロと登り、後半のもそれなりにちゃんと踏んで4周目に入ろうと思った所で上からバイクを押してゾロゾロと選手が降りて来るのを見て悟りました。あ、これで終わりだと。そこで計測チップを回収されて終了、悲しく駐車場まで戻ります。どうやら普段の王滝より足きりの基準が厳しかったみたいで、確かに周回を重ねる度に選手の密度が明かに下がっていました。


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これはパンク修理中の写真ですが、BB裏のケーブル類が全て凍っています。SPDが入らなくなる、なんて言いますが、シクロクロスでのノウハウがあるので、極力雪道を歩かない、そして少しでも歩いた場合はソールをペダルに叩きつけて雪を落とす、というのを実行していたのでクリートが入らないという問題は全く起きませんでした。


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RDもこんな感じになりますが、完璧に作動します。ただし、途中で変速調整がしたくなって、ディスプレイのボタンを押したのですが、凍って押せませんでした。どうやら同じDi2でもFDは凍って動かなくなった事例があったようですが、フロントが1枚なら全く問題無しです。


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これはゴール後ですが、ボトルは1周目の時点で凍っていました。別に悪いことじゃなくて、水を飲みたいという場面は暑くて喉が渇いて辛い、というタイミングなので、若干シャリシャリしてシャーベット状の水は非常に美味しく感じるのです。


想定外だったのはドロッパーポストでした。シートピラー後部が全て凍り付き、レバーを操作しても下がらないのです。結果的に無理矢理氷を落としながら下げてしまったのですが、その際に氷がシールを傷付けてしまったようで、レバーを押してもシートが途中で止まってしまうという症状が出ました。これはメーカー送りか、、と暗澹たる気持ちになったのですが、ピラーを綺麗にしてエア抜きすると元に戻ったので一安心です。


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フェンダーには氷柱が育っていました。


こんな残念な感じで僕の初王滝は終わったのですが、バイクと装備はほぼ完璧で、パンクさえしなければあと1周は走れたと思うのですが、この悔しい気持ちは再度王滝に挑戦させる原動力になるには十分であり、本来の100kmのコースを走ってみたいという欲望もあります。


少なくとも、ここではっきり言えることは、冬の王滝は楽しいということだけです。次回、幸運にも(不幸にも?)冬に王滝が開催される時は、是非エントリーされるのをお奨めします。


最後に突如宣伝。Tシャツ作ったので買ってください!
http://www.tkcproductions.jp/?pid=125525738


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