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自転車レースの写真の撮り方

最近、またキヤノンのSLRを持ってシクロクロスレースの撮影をしています。先週の土日と長野県飯山市で開催された信州シクロクロス#4,5も少しだけ撮影しましたので、それをサンプルに自転車のレースの写真のコツ(主にCANONの場合ですが)をお伝えしたいと思います。


僕はCANON EOS-1D Mark IIというもうビンテージになるボディを使っており、たぶん中古で激安で買えます。もちろんフルサイズのCCDではございません。主に使用してるレンズはEF70-200mm F2.8L IS USMという、いわゆる白くて長いやつで、これもビンテージモデルなので中古で10万円を余裕で切ってるみたいです。特に良い機材を使ってる訳ではありません。


撮影はRAWもしくはRAW+JPGで行います。これが肝心で、JPGのみでの撮影は今すぐ止めてRAWで撮りましょう。RAWは後からの自由度が死ぬほど高いので、ピントと構図が正しければ、なんとかソフトウェア(僕はApertureです)の現像でレスキューできる場合がほとんどです。JPGで撮影すると救うのが難しくなってしまいます。


あとのボディの設定は天気ならISO100、曇りなら160、シングルトラックの中などは400という具合に上げています。これは決まりがある訳じゃなくて、テスト的に撮影して気分で変える感じなので、経験を積めばなんとなく分かってきます。撮影モードはTV(シャッタースピード優先)が基本で、ホワイトバランスも天気に合わせて設定を変えますが、別にAWBにしておいて、後からソフトウェアで補正でも問題無いと思います。


そして、スポーツフォトグラフィーで重要なのは、いかに選手に確実にピントを合わせて写真を残すが、というのが肝心ですので、AI SERVOという、シャッターボタン半押しで移動する選手でも自動的にピントを高速で合わせてくれるモードを選びます。自転車などのブツ撮りはONE SHOTです。また、とりあえず連写しておけば1枚くらいピントが合うだろ、という数打ちゃ当たる作戦で、一番速い連写モードにしておきましょう。


ここまで設定できれば、良い写真を残せる条件は全て整いました。MTB DHならスピードが速いのでシャッタースピード250辺りを最も使いますが、XCなら200、160、なんならそれ以下も使います。これも一概に言える訳では無く、DHレースで真正面から高速で走ってくるようなシーンではあまりシャッタースピードを下げてしまうのはレンズが追従しなくてブレてしまうリスクが高くなります。逆に、真横から選手を撮るような場合には流し撮りでバシャバシャ撮れますので、DHレースでも125のシャッタースピードでも十分な場合もあります。この方がタイヤのブロックパターンや選手の足が流れてスピード感がグッと高まりますので。ここまでテキストばかりでしたので、写真を例にして説明します。


KU6X5120
夜のレースだったのでISO1600まで上げました。それでも辛いので、照明が当たった砂場へ。そして、可能な限り低くカメラを構えて芝生と砂の奥行き感を出します。また、コーステープを入れ込むとぐっとレース写真になります。このように複数の選手を構図に入れるのも良いです。


KU6X5159
ここは暗くて辛かったのですが、高速キャンバーで難しく、バイクが寝るポイントだったので。バイク寝る場所、というのは絶好の撮影ポイントの条件の一つです。選手の表情もいいですね。


KU6X5208
これはf2.8の解放でシャッタースピード100という条件ですが、横からの流し撮りで連写なので、1枚だけピントが来てました。ホイールが流れて、スピード感が出て、さらに背景も流れているので選手が浮き上がってみえます。


KU6X5402
最近のスポーツフォトグラフィーのトレンドは自然光です。クリップオンのスピードライトはカメラバッグにしまっておきましょう。無線でコントロールしたフラッシュを何個も置いて光らせて、作り込んだ写真は時代遅れになっています。自然光でいかに写真を残すかが課題です。常に太陽の位置は意識して撮影場所を選びましょう。こんな綺麗に光りの入った写真が撮れます。自然光に勝てるものはありません。


KU6X5414
写真で最も難しいのが構図。このように、大胆に空と地面を切り取って、構図を右にズラしてみるのも有りです。シャッタースピードは160です。


KU6X5314
これは地面に寝て撮影したものです。芝のボケ具合で奥行きを感じることができ、ピンクのレースキットと水墨画のような背景がよいコントラストになっています。コーステープと杭、オフィシャルと観客も良い感じで配置されました。


KU6X5422
これは熾烈な先頭争いという写真的にもっとも美味しいシーンで、思い切って右を開けた構図ですが、選手の鋭い眼差しにより、間延びした感じはしません。倒れたバイクに、コーステープがレース写真になっています。


KU6X5337
これはシャッタースピードを125まで下げていますので、盛大に流れています。ホイールのロゴさえ判別できないので、ホイールメーカーの広告には採用されないと思いますが、レース写真としては有りだと思います。ピントが甘めで少々構図が右に寄っている気がしますが、写真とは芸術ですから、「これが僕の芸術作品です」と言い切ってしまえば、これだって傑作と呼ばれるようになるかもしれません。ちょっとクドい色味で現像してしまいましたね。


ここまで語ってあれですが、結局の所、写真に正解はありません。誰かの心に鮮烈に印象を残すことができなら、それが一つの傑作になる訳ですから、とりあえずはカメラとボディを持って写真を撮ってみてください。特に選手や元選手は撮影ポイントが自然とわかりますので、大きなアドバンテージがありますよ。



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