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instagram論

instagram論



twitterに忙しいのはいつものことであり、facebookにも最近は取り組んでいたせいでTKCの本ブログが全く更新されない事態に。鈴木さんのtweetにより目が醒めましたので、ブログも書いてみます。


Tumblrはかなり前に飽きてしまってメモ帳替わり、Flickrは買収したYahoo!が水やりを忘れたせいでただの写真ストレージへと成り下がっており、ちょっと前に全面リニューアルしましたけど、巻き返すのは難しいと思います。iPhoneアプリもinstagramをパクってフィルター機能を加えていましたけど、イマイチでしたね。ヘタに歴史が長いので、昔からのユーザーは変わって欲しく無いし、新しいユーザーはinstagramがあるのでいまさらFlickrという感じですから。


前回のエントリでTKC x cup and cone RGR team kitを御紹介しましたが、写真撮影はSL MEDIAの中川氏です。Flickrの写真をembedしていますが、残念ながらどれもview数が数百以下で、マーケティング的に大きなインパクトを与えたのかというと微妙でしょう。僕がもっと頑張ってTagを付けて、色々なFlickrグループに追加していれば、少しは伸びたと思いますが、それでも数倍という所でしょうか。自転車系アルファブロガーとして著名なJohn Prollyのブログでピックアップして貰って、やっと数千viewに届く感じです。


なので、同時にinstagramにも同じ写真を上げたのです。instagramはiPhoneの中で完結すべきであるという美学もあり、僕もそれに賛同しますが、熾烈なマーケティングの世界とはいかに他人と"Make a Difference"するかであり、DSLRで撮影した被写界深度の浅い、いわゆる背景ボケボケの写真とはスマホではその性能上実現が難しいので、その背景ボケボケ写真はTLの中で他者と"Make a Difference"することができるのです。


結果は200Likeを超える写真まで現れました。instagramをされているみなさんはご存じだと思いますが、200Likeはなかなか届きません。僕の狙い通りにいきました。そして、狙い通り以上のことまで起こったのです。


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どこでこの画像を見たのか、カステリの公式アカウントが画像を(悪く言うと)盗用して自分のアカウントでポストしたのです。この段階で341Like、僕が自分でポストしたこの画像は171Likeに過ぎません。


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なぜなら、カステリ公式アカウントのフォロワーは8,000近くもいるからです。ただし、これだけ有名ブランドでこのフォロワー数は少ないと言えます。@rapharacingなら26,000フォロワー超え、その北米アカウント@rapha_n_americaでも7,000を超えているからです。しかし、カステリが転載しれくれたおかげで、僕自身の@teisukeアカウントまでフォロワーが増えましたし、結論として画像を転載されたことにより、損害を被った人は誰もいないということになります。


もちろん、厳密に言うと撮影した中川さんのクレジットが入ってないとか、法的、モラル的な問題を内包していますが、これがSNSです。少なくとも、転載した側、転載された側の双方がハッピーな相乗効果がでれば、目くじらを立てる必要はありません。僕もFlickrに大量の写真を上げていますし、embedやDLさえも自由にできるようになっています。誰かがそれらの写真を完全にコピーして写真集にして、莫大な売り上げを上げて、僕には1円も入ってこないなら、さすがに僕もクレームを入れるでしょうが、そんなことが起こる可能性は無いでしょう。


なので、僕は写真をSNSやネットに放流した時点で、その覚悟を決めています。自分にとって良い方向にも、悪い方向にも作用するのは当然のこと。それは、自分がどの写真をネットの大海にリリースするのか考えてから決定すればいいことであって、その結果僕の写真がどのように使われようと、常識の範囲内であれば、「無断使用だ!」と騒ぐことはありません。それがTKCのポリシーでもあります。もちろん、デメリットもありますが、些細なデメリットのために、大きなメリットを無視したくありません。


超零細企業のTKCとしてはお金を使ったマーケティングやプロモーションはできませんので、常に安価で(可能なら無料で)できるマーケティングを常に模索していますので、国内の自転車問屋の中では早くから色々と取り組んできている方だと思います。同業他社でtwitterアカウントを運用している所、facebookを運用している所、色々とありますが正直、「僕にやらせてもらえるともっと色々伝えられるのにな」と思う部分が多いです。


「SNSなんてマーケティングに使っても意味無いよ」


という声も僕は否定しません。たしかに、まだ国内では大きな意味を持つに至っていませんし、セールスに直結することも無いと思います。でも、「意味無い」という事実を謙虚に受け止めながら、常に新しい取り組み方を模索していないと、未来は無い。ゆっくり死んで行くだけ、という危機感は持っています。アメリカではどれくらい真剣にメーカーがSNSに取り組んでいるのか、という実例を挙げたいと思います。


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最近、比較的震えがった例です。某店に行った時、懐かしいNITTO製のStumpjumperブランドのステムがあったので、#specializedと#stumpjumperのハッシュタグをつけてポストしたのです。すると、ある日@iamspecialized、つまりスペシャライズドの公式アカウントからこのように「オリジナルなの?」と質問が入ったのです。目を疑いました。でも、少し考えると分かりました。彼らは偽物である、という疑惑を持っていたのです。


ご存じ、スペシャライズドはどんな小さな会社でも、自社のパテントや商標が犯されていると思うと容赦無く弁護士経由で警告書を送ったり、裁判を起こすことで悪名高いのです。僕は慌てて、「本物だよ。是非御社の博物館に所蔵を!」とコメントを返しました。おそらく、このまま僕が何も返事しなければ、日本支社へ連絡して、提携する弁護士事務所へ調査を依頼する可能性だってあったと思います。それ位、恐い会社なのですよ。


もちろん、弁護士に脅迫めいたレターを送付させるのも、裁判に訴えて脅しをかけるのも、法律に則った上でのことであり、これは自社の財産と、そしてカスタマーの利益を守るためであり、ディズニーがこの手のことに敏感なのは知られていますが、全く同じことです。ただ、このようなリサーチを、instagramのハッシュタグでわざわざ追っているのですよ。そして、極東の島国の零細問屋がポストしたステムの画像にわざわざコメントを入れてくる。僕はこの事実に震撼しました。


次はinstagramでのマーケティングで最も成功している例の一つ、POLERを紹介します。彼らは一言で説明するとポートランドに本拠を置く、「本格的なキャンプには行かないけど、ちょっと古いSUVに乗って、軽く週末に出かける、ライトなキャンプ感が楽しめたらいい」という層をターゲットにしたブランドで、日本国内でもGO OUT愛読者層や、野外フェス愛好家、スケーターやBMXライダーにさえも支持されています。


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おそらくアメリカ西海岸のどこかに住むこの方(フォロワー126人)が、LRのDefenderの始祖であるSeries1/2/3辺りの写真を撮り、@polerstuffにメンションを入れ、ハッシュタグも数種入れて投稿しました。


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すると、POLERがこの画像にフィルターを追加し、このようにphoto byとオリジナルをポストした人のアカウントをクレジットに入れてポストしたのです。すると、簡単に3224Likeです。オリジナルは29Like。#adventuremobileのハッシュタグで検索して貰えると分かりますが、ちょっと古いSUV、軍用車、キャンピングカーが大量に検索結果にでてきます。


POLERのアカウントを運用している人は相当高いキュレーション能力を持った人と思われ、どんな写真でもPOLERのアカウントに転載してる訳では無いというのが分かります。ブランドの世界観を表す、週末にちょっと出かけたくなる写真ばかりです。しかも、自社製品を紹介している写真の方が少なく、あくまでさりげなく、ほんのりと、遠くから示唆する程度に、ごく自然にしか認識することができません。これは、実際に製品を使用しているユーザーの写真から転載した画像である、という点が大きいと思います。


なので、POLER製品ユーザーはPOLER公式アカウントからLikeや転載されることを無上の喜びとしており、twitterのTLでも「POLERがLikeしてくれた!」と喜びのtweetを見ることもありますし、究極は転載してくれることを死ぬほど待ち望んでいるのでしょう。@polerstuffへは日々大量のメンションが入れられていることと思います。ボリュームが増える、ということはそれだけ質の高い写真が多いということ。POLERを取り巻く、一つの巨大なコミュニティが成立しているのです。


偶然ですが、今からRed Bull X-Fighter Osakaを観戦します。instagramやtwitterのハッシュタグとして#RBXFJPと#XFIGHTERSが使われていますが、どうも盛り上がりに欠けていますね。そもそも、@redbulljapanのフォロワーが400人台というのも驚き。TKCでさえ1,200人です。SNSの世界でアクションスポーツを世界的にリードするRed Bullですが、国内ではまだ成功しているとは言い難いですね。少なくとも、@redbulljapanの運用者はハッシュタグで検索して、ポジティブな内容でX-Fighterに言及している人のtweetにFavを入れたり、場合によってはRT、instagramならLikeをどんどん入れていくべきだと思います。@redbulljapanの公式からいいね!が入ったら、皆さん最高に嬉しいですよね?それがブランドへのロイヤリティを高めるのは言うまでもありません。


生意気な僕のinstagram論いかがでしたか?それではRed Bull X-Fighter Osaka行ってきます。天気が微妙ですが、地元大阪へアメリカから凱旋した東野選手の優勝に期待しています。懐かしいのですが、京セラドームで開催されたコンテストでバックフリップを成功させたのをはっきりと覚えています。あの場にいたことを誇りに思います。それからの軌跡は、ブログ上だけですが、ストーカーのようにつぶさに見てきました。僕が最も尊敬するアスリートの一人の勇姿を見てきます。



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